人こそ芸術 part1

僕の日曜日

栞が来るまであと２時間弱。

それまで何をしていようか考える。

今夜の夕食は久々に栞と二人で作る事になっている。

だから夕食を作る必要は無い。

なら何をしようか？

掃除でもするか？

それとも読書？

･･･今はどれも気分ではない。

「あ･･･そうだ」

ひとつだけ気が向いた。

地下室にある展示室で僕のコレクションを眺めながらビールを飲もう。

本当は赤ワインを飲みたいのだが、赤ワインは栞と飲みたいので、今回はやめておく。

さて、そうと決まったら急いで地下室に行こう。

缶ビールを二缶持って階段を下りる。

「あ･･･」

小山るうと目が合ってしまった。

まだ懲りていないようだ。

小山るうは、わざと僕に胸に谷間が見える様に前屈みになって僕を見つめている。

僕が見つめ返すと小山るうは視線を下にズラした。

僕はその視線を辿る。

「あぁ、これか」

その視線の先には僕が持っている缶ビールだった。