人こそ芸術 part1
「そろそろ仕事に戻らないと怒られるぞ?」
僕は水槽の前から動こうとしない栞に含み笑いで言う。
「・・・はーい」
不満そうに頬を膨らます。
「フグみたいになってるよ」
僕が言うと頬は元の形に戻った。
「じゃぁ行ってきまーす」
栞は背伸びをして僕と唇を合わせる。
そして僕に背を向け、オフィスを出て行った。
僕も仕事だ。
もう直ぐで本日第一回目の手術の時間になる。
そろそろ準備を始めるとするか。