人こそ芸術 part1
僕の腕前
本日第一回目の手術の相手は『拡張型心筋症』
これは心筋の細胞の性質が変わり、とくに左心の壁が薄く伸び、心臓内部の空間が大きくなる病気。
この手術は心臓の大動脈と左心室に穴を開け、人口心臓に繋がるクダ、血流管を繋げる。
心臓の何処に穴を開けるかがポイントとなる。
手術に時間がかかると、それだけ患者に大きな障害を与えてしまう。
僕の手術スピードでリスクを解除しなければならない。
僕は手術に自信がある。
「頑張るか・・・」
僕の独り言。
これは幼い頃からの癖で大人になってもなおらない。
患者のカルテを再確認して準備の為にオフィスを出る。
準備室で青い手術着に身を包み、専用の石鹸で腕まで消毒する。
今回の手術メンバーは術者の僕と介助医として櫻井舞とその他の看護師。
介助医たちと手術の手順を再確認する。
そして僕は軽い足取りで手術室に入った。