人こそ芸術 part1
「カリーナに行こうよ」
「カリーナ?」
知らない名前に思わずオウム返しをしてしまった。
「最近出来たジュエリーショップだよ」
「場所は?」
栞は携帯を取り出し、画面を見ながらカーナビに住所を打ち込んだ。
小さな液晶には現地点と目的地を繋ぐ赤い線が映し出された。
それほど遠い所ではなかった。
空には三日月が輝き始めた。
カリーナに着き、栞とガラスケースに並ぶ指輪を見ながら店内を歩き回る。
胸に『後藤』という名札を付けた女性店員が僕らの接客をした。
一時間ほど見て回り、栞と僕が一目惚れをした指輪を購入した。
僕と栞はセンスの相性もいいのだ。
栞を家に送り届けてから、帰宅した。