『スキ』
――――――――――


風が、止んだ?…―


あたし、生きてる?


何がなんだか分からず手を見ると誰かが握っていた。


強い力で、でも光ぢゃない。


あたしは振り向いた。


「久しぶり、舞」


………………真…。


『真ちゃん?』


真ちゃんは、あたしの向かいのうちのご近所で、いつも優しかった。憂が大好きだった、と聞いた。

憂はいないこと知らないよね、だって家族旅行だったしあの日だって…―


でも…あれ?

何かが引っかかる。


なんだろうこのもやもや。


胸の辺りが引っかかる。

この気持ちの言葉を忘れた…―
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