『スキ』
『なんで…此処に?

此処に来なきゃ、話さなきゃずっと逃げられたんぢゃないの…― ?


何年も。今更、何しに…「ふぅ~俺、忘れていたんだ、好きの意味。


縛りつけるものが愛情 ぢゃないこと。


知らずに“大人”になっちゃった。


いや、まだガキなんだ…―


だから、裁いて貰いに此処に来た。


憂に会いたくて…………

最後に……―」


真剣に話す真ちゃんの表情は、吹っ切った様な柔らかさ……―


自首する気なんだ。


あたしは俯き加減な真の頬を撫でた。


泣いてたから………


涙を拭ってあげた。


光も、理子も、花も、関わりのない千もみんな息を押し殺し泣いていた。

< 29 / 36 >

この作品をシェア

pagetop