『スキ』
気がついたら、病院のベッドの上だった。


『千…―?光も、みんな…何?』


「分かるか?

大丈夫か…?舞まで居なくなるかと思ったッッ…」


光が泣いてる…―


「ごめん舞、おれが夕方に連絡したから、おれが家行けば良かったのに…… まぢごめん」


分からない、なにが起きたのか。


ふとっ、個室のテレビを付けた。


ニュースがちょうどやってた。


通り魔?

意識不明?

あたしか…―


本当に運悪い。


あたしは千の手を優しく握った。


『千は悪くないよ、ありがとう!


それとごめんね…


傷つけて…

千のことは“人“として好きだけど“恋人“にはなれません。


でも好きで居てくれるのは嬉しいから…ありがとう』


笑いかけた。

ぎゅ~~。

涙ぐみながら抱きしめてくる千に焦った様に引き離す光を見て、心が暖かくなった。


あたし達が少しだけ大人になった証………―


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