ヒメゴト
呆気に取られていると…
ドン
いきなり会長によって、壁に押さえ付けられた。
顔…近いです。
それに、会長だいぶ背が高い。
普段あまり見下ろされることがないわたしにとって、それは未知の世界で…。
なんか…怖いな。
「離して下さい。」
「俺に命令するなんて…許さねぇ。
てか…ちゃんと忠告したよね、ゆき?」
ちゅ、忠告?
あ…そういえば、覚悟しろとか言ってたような。
それにわたし、命令なんかしたつもりじゃないのに。
ってか、ゆきって…
「気安く下の名前で呼ばないで下さい!」
「あ、また命令した……いい度胸だね、ゆき。」
おもしろそうに笑う会長の顔がすごくムカついた。
もう…この人は。いったい何がしたいの?
顔近いし。香水だろうか?…なんだか甘い匂いもする。
あぁ…なんか頭パンクしそう。
「でも…そんな余裕すぐに無くしてあげるから。」
すると会長は、クルクルとわたしのロングの髪を指に絡め始めた。