ヒメゴト
ん~無い!どこを見ても無い!いったい…どこなのよっ。
カツッ カツッ
ふと、迫って来る足音に、わたしは思わず身構えた。
でも部屋に入ってきた姿に、わたしはほっと胸を撫で下ろす。
「…小澤さん?」
そこにいたのは、去年同じクラスだった結城くんだった。
そっか…結城くん、副会長なんだもんね。
「どした?…こんなとこで。」
結城くんは、スクバを机に置くと、首を傾げた。
「あ…えっと、昨日会長に呼ばれた時に、ペンケース、忘れちゃって。」
「え…千秋に?」
「う、うん。」
わたしの言葉に、驚いた顔をした結城くん。
「あ…でも、ここじゃなかったみたい。別なとこ、探してみるね。」
そう言って立ち去ろうとすると…