ヒメゴト

唇を離されても、会長の顔はすごく近くにあって…

わたしの顔はバカみたいにまだ熱い。




「…そんな顔、俺以外の男に見せるなよ?」

急に頬に触れて、放たれたその言葉に、触れられた場所が熱くなる。

何これ…らしくない。










「そだ……これ。」

思い出したように言い、スルリとわたしから離れた会長がポケットから出したのは…


「それ、わたしの…。」

花柄のペンケース。





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