ヒメゴト
「わたし…どうしたらいいのかな?」
「ん~、あっちから迫って来たんでしょ?」
美月の言葉に、わたしは静かに頷いた。
「だったらゆきに気があるってことじゃない?」
ゴホッ
む、むせた。
も~美月が変なこと言うから。
「えぇ?!ないない!」
ありえないよ…わたしと会長なんて不釣り合いにも程がある。
「ありますぅ。ゆきはめがね取ると、ほら…かわいーもん。」
そう言ってわたしのめがねを外した。
わたしにとって、めがねは長年の付き合いで。もはや身体の一部のようなもの。外すなんて恥ずかしくてムリ。
「早くコンタクトにしなって。
ゆき、絶対モテると思うんだけどなぁ~。」
「でも…めがねないなんて恥ずか…」
「でもじゃないの…今日放課後眼科行くからね!」
わたしの言葉を遮って、美月が口を開いた。
あぁ…強引すぎですよ、美月さん。