ヒメゴト
「ほらほら、わたしのことはどーでもいいから。着替え行こう!遅れると、また渡辺先生怒っちゃうよ。」
わたしは立ち上がると、椅子にかけていたブレザーに袖を通した。
「も~しょうがないなぁ。」
美月が嫌そうに立ち上がった。
「あ~なんで冬ってマット運動やるんだろう?」
奈々がため息をつきながら立ち上がる。
キーンコーンカーンコーン
やばい…予鈴だ。
「ほら~早く行けよ~。」
南先生がパソコンから目を離さずに言う。最近なんだか忙しそうだ。
わたしたちは教室へと混み合う廊下を走り出した。