ヒメゴト
「…ん。」
会長はちょっと顔をしかめて、うっすらと目を開けた。
カシャン
「っ!」
あまりの突然のことに、わたしはペンケースを落としてしまった。
大丈夫…きっとまだ寝ぼけてるから、そっと席に着こう。
うん…寝顔見てたなんて、絶対気づかれてないはず。
わたしは静かにペンケースを拾って、後ろの方の席へと向かう。
すると……
グイッ
え?グイッ?
振り返ると意地悪な笑みを浮かべた会長が、わたしの左手を掴んでいた。