ヒメゴト
わたしは身嗜みを整えると、重い身体で家を出た。
「う~寒い。」
今日の寒さ尋常じゃないな。
わたしはチェックのマフラーに首をうずめた。
「おはよ~。」
下駄箱で上履きに穿き替えていると、美月がやって来た。
「あ、おはよ。」
わたし上手く笑えてる?
「ちょっとゆき…なんか顔赤くない?熱でもあるの?」
美月がわたしの顔を覗き込む。
「え?そう、かな?別になんでもないよ…外寒かったからじゃない?」
「ふ~ん。」
美月は疑わしそうにしながら、ローファーをしまった。