ヒメゴト
「か、いちょう?」
間違いない…会長だ。
「ゆき…大丈夫?身体、かなり熱いんだけど。」
「…わかんない。」
わたし、きっと重症だ。なんか…抵抗する気力さえ、熱に奪われてしまっている。
わたしは会長から離れると、再び階段を下りた。
後ろから会長がついて来てるのは知っていたが、本当にいつものように言い合える程の気力が残ってない。
あ~うざいうざいうざい。
心の中でひたすらそう呟いた。
「南せんせ。」
保健室に入ると、先生はいつもの場所でパソコンに向かっている。
「小澤どうした?」
立ち上がるとわたしの側まで近寄ってきた。
「…熱っぽくて。」
南先生は顔をしかめると、わたしに体温計を差し出す。