ヒメゴト

ピピピピ ピピピピ

「…わ。」

規則的な電子音が鳴り、わたしが体温計を取り出すと、パッと南先生に奪われてしまった。



「…38.9℃。」

「うそっ。」

ありえない…どうりでとてつもなくだるいわけだ。



「なんで学校来たかなぁ?」

そう言って南先生はサラサラの髪をかきあげる。

な、なんか先生…エロいです。こうやって何人もの男を…


「す、すみません。」

とりあえず謝ってみた。


「とにかく、一時間休んで、あとは早退してね。」

南先生はそう言うと、書類に書き込み始めた。


「私、午後から出張なのよ。」

どうせ家帰っても一人だし、夕方までここで寝てようと思ったのになぁ。





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