ヒメゴト
あ~なんかまただるくなってきた。暗くならないうちに帰ろ。
わたしはブレザーを着て、マフラーをつけた。
「送る。」
え?何言っちゃって…っておい。もうちゃっかりわたしの鞄持ってるし!
「一人で帰れるから。」
わたしは鞄を取り上げようとするが、身体が思うように言うことを聞かない。
「ほら…今日くらい甘えてもいいんだよ。」
会長はそう言うと自分のショルダーバッグを背負い、歩き出した。
これは甘えるべきか…いや、相手はあの会長だ。会長と二人っきりなんて無理…何されるか計り知れないし。
会長じゃなかったら、素直に甘えるんだろうけどな。
なんでだろう…会長だけは頼りたくない。なんかムカつく。