ヒメゴト
「ちょっと、美月。なんか勘違いしてない?わたし…別に会長に何もされてないし。」
「でも家まで送ってもらったんでしょう?」
「っ!」
嘘…な、なんで知って、るの?
「ゆき~?顔赤いよ?」
美月がわたしの頬を突く。
「も~、何よっ。あの時は半強制的っていうか。それに…熱でほとんど覚えてない。」
…なんだかよく覚えてない。会長が送ってくれた……もとい、無理矢理送られたことは覚えてるんだけど。
てか…
「なんで知ってるの?」
「え?学校中でだいぶ噂になってるんだけど?」
美月は知らないのといわんばかりに目を丸くした。
何それ…どうりで今朝は異様なほど視線を感じたのか。
…あぁ、なんか面倒なことになりそう。会長と関わって何もいいことがない。
「いっそ付き合っちゃえばいいのに。」
美月は口を尖らせた。
「そんなのありえない。」
わたしは、席に着くと、頬杖をつきながら外を眺めた。
覚悟してよ、会長。後で生徒会室に殴り込んでやる。