ヒメゴト
しばらくして、静かに生徒会室を後にしたわたしは、ズキズキと頭が痛み、眉間にシワを寄せた。


なんだろ…これ。すごく、苦しい……気持ち、悪い。








「…ゆき?」

フラフラと戻った教室で、鞄に荷物を詰めていた時、呼ばれた声にビクリと肩が震えた。


「…み、つき。」

漏らしたわたしの声は、自分でも驚くほど小さかった。




「どした?こんな時間に。」


美月の言葉にはっとする。
生徒会室で寝ちゃって…気づけば、6時を回ったところだった。


美月は、いつの間にかわたしの側まで来ていて、机の中に手を伸ばし、何かを探していた。




「…美月。」

「ん?」

お目当てのものが見つかったのか、わたしの呼び掛けに、美月はすぐに顔を上げた。



わたし、一体何がしたいんだろう…美月に言ったところで、何も変わらないのに…。

でも…




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