ヒメゴト
「あいつ…狡いわ。」
「へ?」
え…会長が、狡いって?
「ゆきにこんなに愛されて、本当に狡い。…泣いちゃうほどあいつのこと好きなんて、知らなかったわ。」
「…み、美月!」
は、恥ずかしいってば。
いつの間にか泣き止んだわたしは、恥ずかしさで口元を手の甲で隠した。
「も~、ゆきそんな顔してると捕まるよ!」
つ、捕まるって、何に?
「あいつに、何されても知らないからねっ!」
ちょ、ちょっと!美月さん、そこは助けてください!
不思議と、美月といると、いつの間にか笑顔だ。
美月とは、きっと、一生親友。
…そんな気がした。