猫になって君にキスをして
さっそく青いカーテンに手をかけた。
が、
「にゃっ!」
爪が引っかかった。
「にゃ、にゃにゃっ!!」
しばらくの間カーテンと格闘。
やっとの思いで引いたカーテンの外には、いつもと変わらない朝の風景が広がっている。
太陽光線は死ぬほどまぶしいが、
それはオレが猫になったせいだろう。
青い空には白い雲。
道路には朝露に濡れた草が風に揺れている。
いつもと同じだ。
しかし一つだけ違うのは、
彼女と別れた次の日の朝だという事だった。