猫になって君にキスをして
「忘れるとこだったわい」
「にゃ」(何が?)
「今日は週1回、爺さんに会いに行く日だったんだわ」
「にゃ」(爺さん?)
「煮物どうすっかな。帰ってから作っても滲みねーべな」
「にゃ」(煮物?)
「作ってからくればよかったかな」
「にゃ?」
「作ってからじゃ、真っ暗になってまうしな」
「にゃ…」
「まあ、煮物は明日作ればいいかの。まずは爺さんに会いに行かんとな」
「にゃあ…」
爺さんと煮物の繰り返しだ。
一体、婆さんは何をしにどこへ行くのだろう。