猫になって君にキスをして
「お前も、ツレは大事にせなあかんで。知らんうちに居なくなってまうからな」
「にゃ…」(ああ…)
「電車に乗ってまで会いに行きたい猫がいるんか?」
「にゃ…」(猫じゃねーけどな)
「それとも人か?」
「にゃ」(そう)
「そうかい、そうかい」
この婆さん、半分は猫語を理解しているのかもしれない。
「婆ちゃんも、そう先は長くないかもしれんがのぅ」
「にゃ」(んな事言うなよ)
「孫の花嫁姿を見るまでは、煮物を作ってやるつもりじゃ」
「にゃ」(長生きしろよ、婆さん)