猫になって君にキスをして
ピロリーン…またケータイが鳴った。
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どうする?
別れるか、別れないか。
俺はどっちでもいいけど。
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最悪だ。
このギャルが“別れない”と言うのを分かっているような本文だ。
オレはギャルを見上げた。
唇を噛んで、さっきよりもしぶい表情で画面を見つめている。
親指が小さく動いた。
しかし文字は打てずにいた。
迷ってるのだろう。
「はあ…」とため息をつきながら、鼻を啜っている。
「どうしてあたしは、いっつもこうなっちゃうんだろう」
ギャルの瞳に、薄っすらと涙が浮かんでいた。
「こういう男ばっかりに引っかかってさ。情けねー」
「にゃ…」
マスカラの溶けた黒い涙が、頬を滑り落ちた。