猫になって君にキスをして
小さな画面をのぞき込みながら、オヤジ達の予想トークがはじまった。
「俺りゃあ、絶対、2番の“ワンエルディーケー・ジツハ・ロクジョウ”だな」
「いや、5番の“ピロシ・マジデ・シュテキ”だ、絶対」
……なんなんだ、その馬の名前は。
「んでも9番の“ワサビ・ネギトロ・ハイッテナイ”も捨てがたいな」
「4番の“トローリ・テッコツ・タイシンブソク”も人気らしいぞ」
……だから。なんなんだ、その名前は。
「いや。でもやっぱり……コイツだな」
「ああ、コイツだな」
「にゃ…?」(コイツ?)
画面をのぞく。
オヤジの指の先に、白と黒の……馬。
……馬?