猫になって君にキスをして

小さな画面をのぞき込みながら、オヤジ達の予想トークがはじまった。



「俺りゃあ、絶対、2番の“ワンエルディーケー・ジツハ・ロクジョウ”だな」

「いや、5番の“ピロシ・マジデ・シュテキ”だ、絶対」


……なんなんだ、その馬の名前は。


「んでも9番の“ワサビ・ネギトロ・ハイッテナイ”も捨てがたいな」

「4番の“トローリ・テッコツ・タイシンブソク”も人気らしいぞ」


……だから。なんなんだ、その名前は。


「いや。でもやっぱり……コイツだな」

「ああ、コイツだな」

「にゃ…?」(コイツ?)


画面をのぞく。

オヤジの指の先に、白と黒の……馬。


……馬?

< 145 / 214 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop