猫になって君にキスをして

600m付近、8番の馬の動きがおかしい。


『ああーっと、8番“グニャット・ホルモン・ノミコメズ”、首が振れております!』

『どうしたんでしょうねぇ』

『水沢さん! この状況をどう判断しますか!』

『奥歯にはさまった昨日のホルモンがつかえているんじゃないでしょうかねぇ』



「シマウマ! シマウマ!」

「にゃ?」(水沢?)

「シマウマさん!」

「シマウマーー!」


1番“テンタカク・オレ・コエチャッタ”と、8番“グニャット・ホルモン・ノミコメズ”が早くも脱落。


シマウマはまだ頑張っている。

なんてすごいんだ、このシマウマ!


気がつけば、分厚い眼鏡をかけた女も一緒に画面を見つめていた。

胸にぎゅっと本を抱えている。

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