猫になって君にキスをして
『3番、シマウマ……コイツ、今日は頑張っています!』
『すごいですねぇ』
『水沢さん! この状況をどう判断されますか!?』
『ありえない状況ですよねぇ』
1000m付近、そろそろ差がつき始めた。
前を行く先頭グループは、3頭に絞られた。
5番、ピロシ・マジデ・シュテキ、
7番、ハンガク・スーパー・ハチジスギ、
そして3番、シマウマ「コイツ」。
前の2頭に遅れまいと、歯をむき出し、芝を蹴る。
サラブよりも明らかに短い足。
その回転数はサラブの2倍だ。
それでも喰らい付いていくシマウマ!
3両目の窓ガラスは、全てが白く雲っていた。
いつのまにか現れた車掌も、画面を覗き込んでいる。
てか、仕事はどうしたんだ。