猫になって君にキスをして
並んで突っこんでくるピロシとシマウマ。
どっちだ!?
盛り上がる場内。
盛り上がる列車内。
あと10m。
差がつかない。
『ゴールしましたーー! これは分かりません! おそらく判定になります!』
ほとんど同時だった。
見た目にはどちらが勝ったのか分からない。
ゴールしたシマウマは、ぜぇぜぇと息を切らし、首を垂れながらコースを歩いている。
ピロシはスマートに「テッテッテ」と小刻みに走っている。しかしこちらも白目だ。
「どっちだ?」
「にゃ」(分かんねぇ)
「シマウマさん……」
「超ー、気になるー!」
「……し、シマウマ」
「まもなくー…、結果ぁー…」