猫になって君にキスをして

店先に座っているのは、ほとんどが年寄りで、

パイプ椅子に腰掛けて、時折コクリと首を垂れ、居眠りをこいている。


♪~~♪~~♪~~~


どこからか、コブシの効いた歌声が聞こえてきた。

泣き三味線の音色が、耳毛に物悲しく響く。


『帰ろかな~~帰りたい~~♪~~』


泪が出そうだ。


オレも人間に返りたい。

< 164 / 214 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop