猫になって君にキスをして

「ふるさとぉ~恋しやぁ~はないちもんめぇ~」


歌う爺さんのあとで、


「あ~ああ~あ~あ~~~」


座る爺さん婆さんが合いの手を入れる。



次の瞬間、続きを歌おうとした爺さんの入れ歯がスポーンと吹っ飛んだ。


あろうことか、その入れ歯は前に座る婆さんの頭の上でバウンドし、その後ろの爺さんの光る頭の上に飛び移った。


しかしマイクを持つ爺さん、かまわず太川たかしを震えながら熱唱。



「にゃ!」(ぶぶっ!)



笑っているのはオレだけだ。


どうして笑わないのだ?


吹っ飛んだんだぞ! 入れ歯が!



ぶぶぶぶーーーっ!!!


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