猫になって君にキスをして

「やっぱり元気ないわね。ケガしてるみたいだし」


いや、お前の顔が見れないだけなんだ。

そしてこれは、ケガじゃねーんだよ。


「牛乳飲む?」

「……にゃ?」


なんだよ、突然。


「牛乳買ってきたんだ、イライラするから。カルシウム摂取しようと思って」


言いながら紗希は、コンビニ袋をオレの前に差し出した。

袋の中には、1、2、3……6本ものパック牛乳が詰め込まれていた。


「にゃ…」
(……どんだけカルシウム摂取するつもりなんだ)


じっと袋の中を眺めるオレを見て勘違いしたのか、紗希は牛乳パックを一つ取り出した。


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