猫になって君にキスをして

「はい、猫ちゃん、牛乳」

「にゃにゃ」(いや、いらん)


オレは左前足を振った。


「ん? いらないの? カルシウム摂取は大切よ」


紗希はそう言いながら、取り出した牛乳パックにストローを突っこみ、ゴクゴクと一気に飲み干した。


言っておくが、1リットルパックだ。

どんだけ?

しかもストローって。


「ぷはーっ! カルシウム最高!」


口の周りを白く染め、ビールを飲み干した後のような爽快感を顔面に浮かべる紗希。


っていうか、

お前はストローで飲んでも口の周りを白く染められるのだな。

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