猫になって君にキスをして
16。黄色いクマ

16。黄色いクマ
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紗希を追って10mほど歩いた。

青いトタン屋根の、年期の入った古アパート。

2階の左端が紗希の部屋だ。


カツン、カツン、カツン、


サンダルのヒールを鳴らして、紗希が階段を登っていく。


オレも、1段目に前足をかけたのだが、

何となく躊躇して、その体勢のまま、紗希のジーンズのポケットを見上げていた。

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