猫になって君にキスをして
チュンチュンチュン……
スズメが鳴いている。
う~ん…と伸びをし、目をやった先のカーテンから、細く入り込む朝日が床を照らしている。
まだ6時くらいだろう。
くるりとカラダの向きを変えて、まぶしい朝日に背を向けると、紗希の寝顔が目に入った。
「……もう限界だってば。食べれない」
まだ何か食ってる夢を見てるんだろうか。
むにゃむにゃと口元を動かしながらも、スースーと寝息を立てている。
その姿が無性に可愛くて、オレは右腕を伸ばし、紗希を抱きかかえた。
布団の温かさと紗希の柔らかさに安心して、再び眠ってしまった。