猫になって君にキスをして

「ちょっと……聡史……あんた、大丈夫?」


本気で変態を見つめるような目で紗希が後ろから声をかける。


「さっきから何なの? にゃーとかにゃんだこりゃとか……。っていうか、ホントにいつ入ってきたの、あんた」

「……戻った」

「は?」

「……人間だ」

「ねぇ……大丈夫?」

「……しっぽも無い」

「聡史……?」

「……肉球も無い」

「ねぇってば……」

「人間だ!」

「……」

「オレは人間だ!」

「……おかしくなっちゃったの?」

「ひゃっほーーいっ! 人間だ! 戻ったどーー!!」


オレは、フローリングの上で歓喜の踊りを舞った。


すっぽんぽんで、くるりくるりと。


この爽快感!

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