猫になって君にキスをして
「よっふぉ……らしょ」
はぁっと息を吐き、すとんと腰を下ろした爺さんがオレを見てる。
「ふぁんだってまぁ、汚ふぇて」
「にゃ?」
聞き取れねぇぞ、爺さん。
「なんだってまぁ、汚れて」と言ってるのか。
そうだよな? そうしとこう。
爺さんの皺だらけの手が背中を撫でてきた。
丸まった背骨に沿うように、そっとだ。
ゴロゴロゴロ……
おおぅ。
驚いた。自然に喉が鳴っている。
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