猫になって君にキスをして

「はいっ、きっかり5分!」


……全然寝れてねーじゃねーか!


「起きて! 5分経ったよ!」


時計とにらめっこ状態だった紗希が大声を上げて布団にダイブしてきた。


「早く!」

「んー……」

「約束したでしょ? 今日は水族館に行くって」

(……したか? ……覚えてねーんだけど)

「起きて!」

(……無理)

「ちょっとぉー! 聡史!」

「……あと5分」

「はぁ?」

「んじゃ、あと10分」

「増えてるがな」


突っ込むところはさすが紗希だ。

別にボケたつもりはないが。


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