猫になって君にキスをして

「ボケてないで早く起きろー!」


だからボケてはいない。


「あと20分……」

「聡史……あんた舐めてんの?」


再び紗希が布団の上から覆いかぶさってきた。


「このこのっ!」


出たな。

くすぐり攻撃。


「うひょっ、ひっ、やめろ、紗希」

「まだまだー!」

「やめろって」

「うりゃうりゃー!」


……やべぇ。

オレの息子がやべぇ。

それでなくとも寝起きだ。

元気になってきた。


「紗希」

「ん? 起きる?」

「えっちしよう」

「は?」

「えっちしよう」

「意味わかんないんだけど」

「じゃ、ヤろう」

「……意味わかんないんだけど」

「じゃ、セックスしよう」

「言い方変えてるだけでしょ?」


そうとも言う。


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