猫になって君にキスをして
「紗希……?」
やっとTシャツが脱げ、名前を呼ぶも、紗希はどこにもいなかった。
本気で出ていったらしい。
「別れる」と口にしても、その場を離れる事など今まで一回もなかったのに。
「マジで……?」
オレはしばらく放心したが、布団の温かさに負けた。
ま、どうせ少ししたら戻ってくるだろうと思っていた。
で、そのまま眠ってしまった。
再び目を覚ました時には午後3時をまわっていた。
紗希はいなかった。
しばらく待ってみたが戻ってもこなかった。
携帯に電話をしてみたが、拒否られていた。
「……ちーん」
息子はすっかり萎えている。
ホントに終わってしまった。