猫になって君にキスをして
公園の木の影が少し短くなっていた。
ゆっくりと時間は過ぎている。
このまま夜になってしまうんだろうか。
このまま……猫のまま。
ったく何でだよ。
なんで猫になんて……
あ……猫?
「あんたなんか、猫になっちゃえばいい」
……なんだよ。
紗希のせいじゃねーか。
紗希があんなこと言うから、オレは猫になっちまったんじゃねーか。
お前は何者だ。
エスパーか。
ったく。
……すげぇな。