猫になって君にキスをして


(もう1回寝よう)


この2度寝がサイコーなんだよな。


再び丸まったオレ。

しかし鼻先にまとわりつく髪の毛がジャマだった。

毛深い手で払いのけてもいつまでも絡みついてくる。


……髪の毛?


鼻先に当たるほど長くないはずなんだけどな。

まぁいい。抜け毛かなんかだろう。


……毛深い手?


まぁ元々毛深いほうだけど。

んでも今日の毛深さは異常だぞ、これ。


腕を持ち上げて空中にかざした。


(……何だこれ)


毛深い、というよりも毛むくじゃらだ。

しかも腕だけじゃなかった。

視線を移した腹も足も毛でおおわれている。


息子(オレのジュニアだ)など毛に隠れて見えてねーし。


「……」


そんなに小さかったか? オレの。


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