猫になって君にキスをして


「なんじゃこりゃーー!」

(と、叫んだつもりだった)





飛び起きた。文字どおり。

ものすごい跳脚力だった。

1メートル以上はベッドから跳ね上がっただろう。

そのまま床へ落ちた。


それはそれは見事な着地だった。



ベッドの上に、抜け殻のようなTシャツとトランクス。

……オレが着ていたヤツだよな。

で、オレは床の上にいる。

ハダカで。

……ハダカか?



全身を見渡した。

やっぱりどこもかしこも毛だらけだ。

一応ハダカと言うんだろうか、これでも。

ふっさふさに毛が生えてるけど。

いや、ふっさふさと言うよりバリバリの毛並みだけど。


……毛並みって。


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