猫になって君にキスをして

驚いたオレは、おそるおそる鏡の前に移動した。


「……」


どう見ても、そこにいるのは猫だった。


左手……

左前足を上げてみた。動いた。


ケツに集中した。

……しっぽがピンと立った。


思いきって声を出してみた。

予想はしていたが「にゃー」と聞こえた。


自分の意思で鏡の中の猫が動いている。


間違いない。

そこにいるのは……やっぱりオレだ。


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