猫になって君にキスをして
『片瀬』と名前の入ったプレートを赤いエプロンの胸元につけ、一心にアレンジメントをこさえてる女の子。
この子はオレのお気に入りだ。
今時めずしいポニーテール。
白いシャツと白いパンツ。
まさに百合の花だ。
背中に透けるブラの線が何とも悩ましい。
うへ。
このアーケードを通ると、いつも用も無いのに足を踏み入れてしまう。
そして適当な花を一輪ばかり買って帰る。
買った花は流しに置いておくか、紗希がアパートに来たときにくれてやったりしている。
一輪ばかりの花に紗希は、「わーい。嬉しい」何て言いながら小躍りしていた。
なぜオレが花なんかを買っていくのか、その理由も知らず。