[短編]さよならを言いに。
あたしが俯いていると

裕介はこつんとおでこを

ぶつけてあたしの顔を

覗き込んだ。


「さっきの話…続き聞かせてよ」


そうだ。

デート……


「裕介、今日1日あたしとデートして…」


「…うん」


寂しげに裕介は微笑んだ。

裕介…


「1日っつってももう5時だけどな」


ははっと

笑って口元を歪めた。
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