君しか....

─連翔side─


「…大翔邪魔」
「ん」


そう言って俺の元に戻ってくる大翔。

その大翔の変わりに前に立つのは勇瑠。


「…手ぇ抜かねぇ。」
「はい」
「…死にかけたら白旗だせよ」
「…はい」


ーバコッ


「…っ…」


勢い良く倒れ込む勇瑠に対し美桜ちゃんも麗奈ちゃんも息を飲む。
勿論俺や大翔も。


「…んで…何でだよ!!何で絵梨なんだよ!絵梨を返せよ!!」


顔を上げた京介の顔は昔の顔に戻っていた。
喧嘩をする意味、殴る意味を忘れた喧嘩上等って名前だけを綺麗に並べた京介に。

守りたいものが無くなった時、京介は何を感じたんだろうか。


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