君しか....


「お嬢様?」


私は無言で車に乗り込んだ。


「帰る。」
「大翔さん…「知らない」


どうやら、遠藤は喧嘩をしたでも思ったのかそれ以上は聞いてこなかった。


ーガチャッ


私は自分の部屋に入ると鍵をしめた。

大翔が悪い訳じゃないから。
自分が勝手に逃げただけ。


そう思っても、全く楽しそうにしない大翔に怒りがつもるだけ。


ーコンコン


「美桜?」


そんな時に今は聞きたくない声がドアの向こうからした。


「勝手に入るよ?」
「来ないでよ。気分悪いんだから。」


ガタガタ鳴ってたドアノブが静かになった。



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