君しか....
─美桜side─
今は、仕事をする大翔の部屋にいる。
今度の花火大会の事も言わなくちゃならないし。
「なぁ…」
「ねぇ…」
私が声を発したのと同じ時に大翔も声を発した。
「…美桜からで良いよ」
パソコンに向けていた体を私の方に向けてくれた。
「大翔から」
「良いから、美桜」
「…あのね、今度花火大会あるんだけど、一緒に行かない?」
「…良いよ」
ニコッって笑ってくれたけど、なんか寂しそうだったんだ。
何でかな?
「大翔は?」
「忘れちゃった」
そう言ってパソコンに体を向き直した。