君しか....


「…」


俺は直立不動の美桜を抱き締めた。


「どうしたの?」


優しく俺を包んでくれる美桜。
今日は、いつもと違い、香水をつけている。
しかも、俺の好きな匂い。


「…心が傷付いた」
「何で?」


俺の体と自分の体との間に手を入れて俺を押した。


「…ちょっと…嬉しいような切ないような…」


上目遣いで俺を見てくる美桜。


「私に話せないの?」


首を傾げる美桜。


「いや…言えるけど…」
「言いたくないなら良いよ?」


と言って俺の頭を撫でてくる美桜に軽いキスをした。


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