君しか....
「…花火が…」
会場に着いた時には打ち上げが丁度終わった頃だった。
「…花火が…」
「あ…ちょっと美桜の事見てて!手、出したら殴るから」
「出さねぇよ」
大翔は私と京介を置いて走って人混みに紛れてしまった。
「…なぁ」
「ん?」
「大翔の何処が好きなの?」
「へ!?」
いつもの顔で私を見てきた。
「いや…。全部」
「具体的に」
何故か真剣な顔で聞いてくる京介。
「大胆で…」
「うん」
「強引で…優しくて…甘えん坊で…ちょっと俺様で…構ってくれて…」
「美桜はMなんだ…そっか…じゃ、今度から俺が言う事に拒否権なしだよ?」